こんにちは、皆川です。
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さて、現在、進められている遺伝子解析の研究が進み、ひとりひとりの肥満に関する遺伝的な背景が、明らかにされるようになれば、個人個人の体質に合わせたテイラーメイド型の肥満指導が可能になるといわれています。
このことについて、もう少し、わかりやすく説明したいと思います。
例えば、以前、ご説明しましたβ3アドレナリン受容体遺伝子の変異を持つ人の場合、1日あたりの基礎代謝量が200kcal 少ないため、一日あたりの摂取カロリーをその分減らすか、運動でその分、消費してもらう必要があるわけです。
ご飯でいえば、お茶碗1杯分、ウォーキングでいえば5,000歩程度に相当します。
また、他の遺伝子の変異がある場合、高脂肪食を摂ったあとの熱産生能が、低下していることもあるようです。
肥満に関する遺伝子変異としては、現在、40種類以上、見つかっているようです。
肥満に関係する遺伝子を調べ、自分の場合、どの遺伝子の変異があるか、ということがわかれば、どういう食事を摂ると太りやすく、どんな運動をするとやせやすいか、といったことが的確に、示される時代が、いずれやってくるかもしれません。
これまでに、ダイエットに対するいろいろな食事法の効果について書かれた論文をご紹介してきましたが、どの食事法もそれなりの効果がみられるようでした。
つまり、炭水化物を減らすダイエットがよいとするものもあれば、脂肪を減らすとよい、というものもあり、更には、高タンパク食がよいとするものもあったりするため、一体、どれが本当によいのか、わからない、というのが正直なところでした。
でも、変異のある遺伝子というのは、人によって、いろいろでしょうから、適したダイエット法というのが、各人、違っていても、なんら不思議ではないのかもしれません。
ですから、一律に、炭水化物を減らしたダイエットがよいとか、脂質を減らしたダイエットがよいとかいったことは、いえないのかもしれません。
今後は、ダイエットも、遺伝子を調べて、その結果を見て、あなたには、このダイエット法がいいですよ、そちらのあなたには、別のダイエット法があってますよ、とアドバイスされる時代がやってくるのかもしれません。
現在、自宅で手軽にできる肥満遺伝子の検査は、β3アドレナリン受容体遺伝子の変異についてのものです。