2005年04月13日

グレリンのお話

 こんにちは、皆川です。
 
 前回の記事に対しては、コメントありませんでした。(トホホ・・)
 
 唯一、「リハビリは創造力」のトオルさんから、TBがありました。
 
 トオルさんのブログもご覧下さい。
 
 さて、レプチンのお話が続きましたので、この辺で話題を変えてみたいと思います。
 
 何度も繰り返しましたように、レプチンは、脂肪組織から分泌され、食欲を抑えたり、エネルギー消費を亢進させて、やせる方向に導いてくれるホルモンです。
 
 実は、これに、拮抗する作用のある物質が、日本の研究者によって発見されています。
 
 この物質はグレリンと呼ばれ、1999年12月に、当初、成長ホルモンの分泌を促すものとして発表されたのですが、その後、強力な摂食促進作用を有することが、明らかになりました。
 
 それによって、グレリンは、肥満や摂食障害の治療に結びつくものとして、注目されるようになりました。
 
 グレリンは、主に胃から分泌され、脳に働きかけ、成長ホルモンの分泌を刺激したり、摂食を促すなどの作用を持っています。
 
 グレリンをラットの脳室内に、投与すると摂食が促進され、体重増加をもたらしますが、グレリンの抗体を投与すると摂食が抑制されることがわかっています。
 
 6ヶ月間、カロリー制限によるダイエットを行った際の、血液中のグレリン濃度を調べた研究がありますが、それによると、ダイエットによって、17%体重が減ったのに対し、液中のグレリン濃度は、24時間グレリン濃度曲線下面積で見て、24%増加しています。
 
 これが、意味するところは、頑張ってダイエットしてやせても、体は、もっと食べろ!もっと食べろ!と、脳に働きかけているということです。
 
 これも、セットポイントに体重を引き戻そうとする現象のひとつなのでしょう。
 
 ダイエットでやせようなどという考えは、しょせん、無理な話なのでしょうか?
 
 この辺のお話、もう少し、追求してみたいと思います。
 
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この記事へのコメント
こんにちは。零梛です。
ダイエットしてもグレリンの濃度高いとリバウンドにも関係するんですか?
(~_~)それだと食事制限やめたとたんに太りだすんでしょうか?
がーん。

食事制限による減量よりももっと気楽にできる方法が見つかればいいですね。(^_^.)
Posted by 零梛 at 2005年04月14日 05:38
皆川先生はじめまして、本月と申します
解りやすく為になる情報をありがとうございます

ダイエットをしている(主に食事量と有酸素運動)のですが
少し、減ったかなと思うと
異常に空腹感が増し、耐え難さから多く食べてしまうことがあり
意志の弱さにへこんでいるのですが・・・。
もしかすると、グレリンの影響?でしょうか
グレリンの分泌を抑える方法はあるのでしょうか
レプチンにせよ、グレリンにせよ、
行動や普段の食事の工夫などでなんとかなるなら
ありがたいと考えております。
極力ダイエット食品というものに頼りたくないと考えておりますので・・・
よろしければ、そういった方面の情報も
お願いいたします。


Posted by 本月研介 at 2005年04月14日 12:00
う〜〜ん。体の働きに背くほどの強い意思が必要ってことかな?
コメントは残さなくてもクリックはしてますよ〜。
Posted by ナミナミ at 2005年04月14日 14:13
 零梛さん、本月さん 、ナミナミさんコメントありがとうございます。

 実は、リバウンドの問題、グレリンの分泌量が少ない食事法、脳とグレリンやレプチンとの関係、こうした問題、私としても非常に興味がありますし、ぜひ、知りたいと思っているテーマです。

 実は、既に、文献を手配済みのもの、今、読んでいるものなどもあります。

 また、現在、文献を検索中のものもあります。

 近いうちにお答えできそうなものがありますので、少し、お待ち下さい。

 尚、メルマガ上でお答えすることもありますので、そちらも、ご覧頂ければと思います。

Posted by 皆川 at 2005年04月14日 22:27