こんにちは、皆川です。
前回の「体重のセットポイント説」というお話、いかがでしたか?
一所懸命、ダイエットに励んでいる方には、なんとも、納得しがたいはなしですねえ。
このお話、少し、補足させていただきたいと思います。
で、その前に、ブログをひとつ紹介させていただきます。
タイトルは、「断食こそ」です。
白井先生という麻酔科のドクターが、書かれているブログです。
先生は、断食こそ最高の医療と考え、自ら、断食を実践され、2ヶ月で12kgも痩せられたとのことです。
「健康と医療」のカテゴリーで投稿されていますが、いつも「ダイエット」カテゴリーのブログを読まれている方にとっても、非常に参考になるブログです。
私のオススメです。
では、 ここからが、「体重のセットポイント説」の補足です。
まず、ひとつは、脳は、どのようにして、体脂肪量が増えたことを感知するのでしょうか?
実は、脂肪組織からは、レプチンというホルモンが、分泌されており、脂肪組織の増減に応じて、その分泌量も増減しています。
すなわち、体脂肪量が増えれば、レプチンも増える、体脂肪量が減れば、レプチンも減るわけです。
レプチンの作用は、食欲を抑制し、摂食量を減らす一方で、消費エネルギーが減少するのを防ぎます。
このため、体脂肪が増えれば、太らない方向に、体は向かうわけです。
云ってみれば、サーモスタットが、温度の調節をするように、レプチンが、体脂肪量の調節に大きな役割を果たしているわけです。
そして、もうひとつ、大事なことは、このレプチンというホルモンは、肥満遺伝子が作り出しているということです。
ということは、遺伝子によって、肥満の度合いが、規定されてしまっているということになるわけです。
そして、脳が規定した体重から、体の方が、はずれると、これをレプチンの分泌量を調節したり、他の因子も加わって、元に戻そうとするわけです。
以上が、「体重のセットポイント説」の概要です。
これを見ると、いくら頑張って、ダイエットしても、無駄なような気になってきます。
そこで、何か、このセットポイントを変える手立てはないものか、只今、文献をあたっているところです。
そう簡単には、見つかりそうにありませんが、只今、頑張って捜しているところです。
もし、見つかれば、皆さんにご報告致しますので、待ってて下さいね。
ただ、文献を捜している中で、ちょっと、面白い論文を見つけましたので、今回は、それについて、触れてみたいと思います。
皆さんも、胃潰瘍の原因がヘリコバクター・ピロリ菌という変てこな名前の細菌であることは、ご存知だと思います。
そして、その治療は、除菌治療といって、ピロリ菌に有効な抗生物質と胃酸の分泌を阻害する薬を使用した治療を行います。
ところが、この治療を受けた患者さんの中には、胃潰瘍が治ったあと、体重が急に増えてくる人が多いということなのです。
初めは、胃潰瘍が治って、お腹の調子が良くなったものだから、食欲が増し、体重が増えたぐらいに思われていたようなのですが、
胃潰瘍があっても、無症状あるいは、ほとんど症状のない患者さんの場合でも、やっぱり、体重が増えてくるということがわかり、その原因の追求が始まりました。
実は、その原因は、レプチンだということがわかったのです。
これは、一体、どういうことでしょうか?
次回に、続く。
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